エイチ・アイ・エスが5月31日発表した2018年10月期第2四半期(17年11月~18年4月)の連結決算は、純利益が前年同期比31%減の35億円だった。売上高は同25.5%増の3412億4700万円、営業利益が同22.1%増の76億2300万円、経常利益が同25.8%減の78億1400万円、四半期純利益は31.3%減の35億5500万円。経常利益と純利益は、前期の為替差益27億4100万円に対し、今期は為替差損13億800万円が発生し、営業外損益で減益となった。
売上高は過去最高を記録。既存旅行事業が順調に推移し、海外旅行の手配を手掛ける香港のミキグループやカナダの旅行会社メリットトラベルを買収し、増収となった。
旅行事業は、売上高が同27.1%増の3036億8800万円、営業利益が同15.9%増の41億8900万円。グアム減便の影響で売り上げが減少するも、欧州旅行の好調さや海外現地法人の新規連結、訪日旅行事業での旧正月や花見シーズンでの商材強化などにより増収となった。今後は、同社史上最大となるグアムへの96本のチャーター便を活用した商品や、訪日日帰り観光バスの取り扱い数4倍増便、沖縄でのLeaLeaラウンジオープンなどで売り上げを拡大する。
ハウステンボスグループは、売上高が同22.5%増の208億2300万円、営業利益が同4.0%減の36億2千万円。ラグーナテンボスの年末年始や春休みの入場者の減少と電力小売り事業を営むHTBエナジーによる燃料コスト増が響いた。今後は、日本最大の4大ウォーターパーク、恐竜を楽しめる「ジュラシックアイランド」をオープンする予定。
ホテル事業は、売上高が同72.4%増の62億4千万円、営業利益が同44.4%増の7億1300万円、EBITDAベースでは同53.9%増の13億8600万円。「変なホテル」の展開が加速したほか、台湾のグリーンワールドホテルの業績増、ウォーターマークホテル・ジャパンが所有する不動産の売却などが寄与した。21年までには変なホテルブランドを中心に100軒を目指す。
九州産交グループは、売上高が同3%減の108億4500万円、営業利益が43.1%増の3億4900万円。2月の降雪で高速道路通行止めとなり貸し切りバスやバス旅行などの売り上げが減少した。熊本県桜町の再開発は、19年秋のオープンを目指している。
エネルギー事業では「H.I.S.ホールディングス」を設立。19年7月に宮城県角田にパーム油を用いたバイオマス発電所を開業する。
M&A・システム開発、1500億円を投資
同社の澤田秀雄会長兼社長は「世界の旅行者は12億人から18億人になる。システム、販売とも世界基準にし、世界で勝ち抜ける会社にする」と強調した。18~20年の3カ年でホテルとM&Aに300億円、設備やシステム開発に1200億円、計1500億円を投資する。システム開発では、顧客履歴のビッグデータ化やAIを活用した顧客創造の仕組みを20年までに開発する。海外での200以上の店舗展開で「ランドオペレーターでは世界一になり、世界各国で3本の指に入る旅行会社となる」と宣言した。
18年10月期の連結業績予想は売上高が同18.8%増の7200億円、営業利益が8.7%増の173億円、経常利益が10.9%減の175億円、当期純利益が同31.4%減の91億円を見込む。